マツダロードスター、幌(ソフトトップ)の歴史

マツダロードスター、幌(ソフトトップ)の歴史

やはりオープンカーを語る上で、欠かせないのが幌ですね。
新型ND型ロードスターのソフトトップは作り続けて25年以上のマツダがたどり着いた究極の幌なのです!

 

NA、NB型ロードスターのW型幌

NA型ロードスター

画像出展:http://gazoo.com/car/newcar/impression/st2/Pages/WCG_140912.aspx?MAKER_CD=C&CARTYPE_CD=20

NA型ロードスターの幌は、リアスクリーンがビニール製でした。
ですから、長く使っていると劣化により白濁したりひび割れが発生したりという問題があったんです。

このリアスクリーンの周りには、ファスナーが付いています。
幌全体を開けずに、リアスクリーンだけ開けることができたんですよ。
この、ビキニトップ風とも言えるスタイルは、ロードスター乗りの間で通称「NA開け」と呼ばれていました。

NA型ロードスターは、リアスクリーンのファスナーを先に開けてから幌を開けるのが推奨でした。

これだと乗車したままでは操作出来ませんから、開閉には少し時間が必要でした。

また、寒い時期には開閉作業でリアスクリーンがひび割れることもありました。

 

NB型ロードスター

画像出展:http://gazoo.com/car/newcar/impression/st2/Pages/WCG_140912.aspx?MAKER_CD=C&CARTYPE_CD=20

NBはNAと全く同じ外形の幌を使っています。

NA型ロードスターで問題だったリアスクリーンは、ガラス製に変更されたので、耐久性の問題はほぼ無くなったといっていいでしょう。

それに伴い幌の開閉は、リアスクリーンのファスナーを開ける必要は無くなりました。

おかげで、乗車したままで幌を開けられたのは大きな進歩ですね。

また、リアガラスには熱線も付いたので、曇る心配もなくなり快適性も向上しましたね。

このNB型ロードスターの幌は、NA型ロードスターと同一外形だったので、年数の経った初代NA型ロードスターをNBの幌て修理する例が多くなりましたね。

 

NA、NB型ロードスターW型幌のデメリット

画像出展:http://minkara.carview.co.jp/car/mazda/eunos_roadster/

NAとNB型ロードスターはW型に畳まれる幌になっています。

 

W型の幌には、特有のデメリットがあります。

W型の幌では、車体とのロックなどの内装部分が開けたときに上に見える形になります。

 

ですから、この状態のまま走行すると幌の内装が汚れやすいんですよね。

これを防ぐためのトノカバーというオプションもありました。

しかし装着に手間がかかるので、あまり手軽なアイテムではなかったですね。

ですから、トノカバー無しって人が多いように思いますよ。

自分もNBに乗ってた時は、トノカバー無しでしたから。

やっぱりね、めんどくさいです( ゚Д゚)

 

他には、幌の取っ手の位置が遠くなるということです。

ですから、運転席に座ったままで幌を閉めるのは少し無理がありましたね。

 

NC、ND型ロードスターのZ型幌

NC型ロードスター

NC型ロードスターから、W型ではなくZ型収納の幌が採用されました。

これは、シャシーがRX-8の流用となるフルモデルチェンジで大きく設計が変わった為にできた変更ですね。

内装側は、内側に隠れるようになってオープン 状態での見た目がとても綺麗になりましたね。

この変更により、トノカバーは不要になりました。

そして、幌を閉めたときのロックは中央の1箇所のみになりました。

NC型ロードスターでは、ロックを開けて、幌を降ろし、上から押してカチッとロックが止まれば完了です。

閉めるときは、車内のレバーで幌のロックを解除します。

幌が少し浮くので、中央のロックの両側にある取っ手に手をかけて閉めます。

少し力が必要ですが、運転席に座ったまま開閉操作が出来るようになって、開閉動作が格段に進歩しました。

 

ND型ロードスターの幌

画像出展:http://news.goo.ne.jp/article/webcartop/trend/webcartop-45359.html
最新であるND型ロードスターの幌は、NC型ロードスターを踏襲したものになっています。

幌のロックは中央1カ所のみで、幌を降ろしたときの解除レバーもほぼ変わっていません。

こうして見るとNDはNCと基本的な部分で同じように思えます。

 

しかし、実際に操作してみるとビックリしましたね!

すべての動作が、とにかく軽くてスムーズなんですよね。

 

幌を開けるとき、中央のロックを外して幌を後ろに持っていきますと・・・

収納スペースに吸いこまれるようにスッと収まっていきます。

最後に幌を上から押して車体にロックする操作も軽い力で十分です。

 

そして、幌を閉めるときが感動的なんですよ!

ロック解除のレバーを引いたら、幌が浮くんですよね。

NC型ロードスターでは少ししか浮かなかったので、上に上げつつ前に持ってくる感じで動かします。

結構力が必要で男性なら平気ですが、女性にはちょっと辛いところがありました。

しかしND型ロードスターでは、ロックを解除したら幌がグッと高い位置まで持ち上がります。

そこから、取手に手を掛けて前に移動させるだけです。

重さはまったくなくて、軽い力で幌が閉まります。

最後に中央のロックレバーを倒すだけと、めっちゃ簡単ですよ。

とんでもなく、イージーです( ゚Д゚)

 

NC、ND型ロードスターZ型幌のデメリット

最新のND型ロードスターに至っては、もはやデメリットと言えるものはないだろうと思います。

そのぐらい完成度が高いです。

しかし、あえていうならば耐久性と言えるかな?

特にNC型ロードスターのビニール製幌では躊躇だったですね。

幌を開けた時に、折り返し部分が内側に引き込まれるようになっていますが、この折れる部分と引き込みのヒモがかなり傷みやすいです。

もともと、ビニール製の幌は冬場に固くなったりして動きが悪く割れやすい傾向があるんですけど。

布製のクロス幌では、冬でも固くならずに痛みも少ないですね。

最新のND型ロードスターはクロス幌しかないですし、NC型ロードスターでも後期モデルになるころには対策されていますので、それほど深刻なデメリットではないでしょう。

 

マツダロードスター、幌(ソフトトップ)の歴史まとめ

画像出展:http://stay-free.top/car672

4世代に渡る歴史あるロードスターですが、同時に幌の歴史でもありますね。

NA、NBのW型幌とNC、NDのZ型幌に大別出来ます。

W型幌のころは、やはり扱いづらい所がありました。

やはりZ型の幌になって、オープンにする手軽さが強まったかと思います。

手軽にオープンに出来るということは、オープンで走る機会も増えるということでロードスター本来の走りを楽しめる機会が多くなるってことですね。

電動ハードトップモデルも開閉は速いですが、やはりソフトトップの幌のほうが気軽というか手軽ですね。

ND型ロードスターでは幌の天井に内装もついて、幌でありながら快適性も向上しています。

女性でも軽々と開閉できる軽さなので、是非体験してみて欲しいです!

 

しかし、そうは言っても最新のロードスターでなく、特に初代のNA型ロードスターには拘って乗られている方も多いと思います。

その中には、オリジナルに拘ってビニール製の幌で「NA開けがしたいんだよ!」という人もいると思います。

でも現在、ビニール製の幌は廃盤になっているんですよね。

しかし、コチラの計画により廃盤になったビニール幌も、新しい生地が見つかり試作が上がってきているそうなので楽しみですね。